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人生100年時代の生き方を考える     
                         スローな暮らしはじめませんか?      

       
超高齢期の生き方-2
老い支度が必要
1.健康管理
  • 定期的な健康チェック 80歳を過ぎると、体調の変化が顕著になるので定期的な健康診断が大切です。
  • 運動習慣 軽い 運動やストレッチを日常に取り入れ、筋力や柔軟性を保つことが重要です。ウオーキングやラジオ体操などがおすすめです。
  • 食生活の工夫 高齢になると、栄養素の摂取が難しくなるので、カルシューム、ビタミンD、タンパク質の摂取に留意し、消化の良い食事を心がけましょう。
2.住まいの準備 
  • バリアフリー 住宅のバリアフリー化が必要になる場合があります。階段に手すりを付けたり、段差の解消などで転倒などの事故を防ぎます。
  • 安全設備 風呂場やトイレの滑り止めや手すり、防犯対策としてのカギやセンサーライト、きゅうきゅうつうほうそうちな設置などがおすすめです。
3.金銭的な準備
  • 年金・預貯金の見直し 生活費や医療費、介護費用などを見込んだ収入の見直しをすることが重要です。
  • 遺言書や信託の準備 もしもの時に備えておくと相続がスムースに行えます。

4.社会的なつながりの維持
  • コミュニケーション  機会を作り、孤立を避け、友人、家族との交流を大切にしましょう。地域活動や趣味のサークルなどに参加することでも社会的なつながりを維持できます。
  • コミュニケーションツールの習得 もし可能であればスマホやパソコンの基本的な使い方を学んでおくと,遠隔地に住む家族との連絡も取りやすくなります。
5.介護の準備
  • 介護保険制度の理解 もし、介護が必要になったとき手続きをしてもらえるキーパーソンを決めておくと安心です。
  • エージェンシーぼ選定 介護が必要になった場合のために、信頼できる介護サービスを事前に選定していくことも大切です。
6.精神的な支え
  • 心のケア 加齢に伴い、喪失感や孤独感が増すこともあります。定期的に心のケアを受けるためのカウンセリングやサポートグループの利用も選択肢の一つです。
  • 趣味や興味の追求 好きなことや趣味を続けることで、生活に充実感を持たせ、精神的な安定を保つことができます。

「死」 について考える

 ◆「死」を考えることで人生を再認識しようとするとき

人は一生かかって生きることを学び続けなければならない。しかも、もっと驚くべきことは人は一生かかって死ぬことを学ばなければならないのだ。
   (セネカ=ローマ帝国ネロ皇帝の師 ストア派の哲人)

「死」を体験的に知ることはできないが、「死」を見つめることで、自分に残された時間は限られているという現実を再認識することができる。

人間は楽天的にできているところがあり、日常生活の中では死のことなど考えないのがむしろ普通である。今の時代、自分がいつ死ぬか分からないのだから、もう少しマジメに死につい考えることも必要である。


キュウブラ・ロスの5段階説
末期疾患であるとの診断がなされ、告知された患者が、死を受け入れる精神状態について、E ・キューブラ・ロス女史は5段階説で説明している。 



 1.否認の段階 「そんな筈はない」「なぜ自分だけが死ななければならない   のだ」という気持ちになり、孤独感や罪悪感、無為感といった内的葛藤   が起きてくる。
 2.怒りの段階 死という実存的状況に対する怒りと、自分の周囲の者 — 医   師、看護師、肉親 ー に対する怒りがある。
 3.取引の段階 死そのものと取引する状態になる。心理的技術をさまざま弄   して、これを受け入れようとする。 
 4.落ち込みの段階 死がまぬかれないことを知り、誰を恨むこともできず、  取引も出来ないことを知った上での落ち込み、抑うつ状態のことをいう。 
 5.受容の段階 死を受け入れる気になり、そこで、自分自身の存在や生き方  について、否応なく目覚める
  死への準備教育十五の目標 A・デーケン》

第一の目標 精神的な打撃と麻痺状態~愛する人の死という衝撃により、一時的に現実感寛が麻療状態になる。
第二の目標 生涯を通じて自分自身の死を準備し、自分だけのかけがえのない死を全うできるように、死についての深い思索を促すこと。
第三の目標  悲嘆教育である。身近な愛する人を亡くした悲嘆の体験からいかに立ち直るかを教える悲嘆教育は、死への準備教育の大切な一領域である。 
第四の目標 極端な死への恐怖をノーマルなレベルにまで緩和し、その心理的負担を取り除くことである。  
第五の目標 死にまつわるタブーを取り除くことである。そうすることで、死という人生の重要な問題について自由に考えまた話すことができるようになり、死に結びついた情緒的問題の解決も可能となる。
第六の目標 自殺を考えている人の心理こついて理解を深め、自殺の予防法を考えることである。日本における75歳以上の自殺率は世界第一位である。老年期の自殺と並んで、昭和ひとけた生まれの男性の自殺も深刻な社会問題となりつつある。
第七の目標 告知と末期ガン患者の知る権利についての認識を徹底させることである。
第八の目標 死と死へのプロセスをめくる倫理的な問題への認識を促すことである。 
第九の目標 医学と法律に関わる諸問題についての理解を深めることである。具体的には死の定義と死の判定、脳死、臓器移植、献体、臓器の遺贈、遺言の作成といった問題が挙げられる。  
第十の目標   葬儀の役割について理解を深め、独自の葬儀の方法の準備をするための助けとすること。
第十ーの目標  時間の貴重さを発見し、人間の創造的次元を刺激し、価値観の見直しと再評価を促すことである。死を直視し、自己の有限性を自覚する時、残された時間をより有意義に過ごすための努力が始まる。
第十二の目標  死の芸術(アルス・モリエンデイ)を積極的に習得させ、第三の人生(老年期)を豊かなものとすることである。よき往生とは、時間をかけ努力して磨き上げるべき芸術である。その習得は老年期の大きな課題であり、現在をよりよく生きようとする努力にも通ずる。実り多い生と死を全うするためには、生命の量よりも生命の質をこそ重視すべきである。
第十三の目標  個人的な死の哲学の探求である。 
第十四の目標  宗教における死のさまざまな解釈を探ることである。「老い」と「死」に関する疑問は、科学や合理的思考、イデオロギーなどでは決して解決されないという。ほとんどすべての宗教は、生と死、苦悩、死後の生命などについての解釈を教義の中心に含んでいる。それぞれの教えの共通点や相違点を知ることにより、自身の死生観を考察し、深めるための刺激が得られる。 
第十五の目標  死後の生命の可能性について考察するよう促すことである。人生の意義も死の解釈によって決定的に異なってくる。もしも死によってすべてが無に帰するなら、生の営みも結局は不条理にすぎないが、死を新たな生への入口と考えるなら、人生のあらゆる労苦も決して無駄にならない。 
   


<悲嘆のプロセスの12段階> (『伴侶に先立たれ時』デーケン、重兼芳子編)

1.精神的な打撃と麻痺状態~愛する人の死という衝撃により、一時的に現実感寛が麻療状態になる。
2.否認~相手の死という事実を否定する。
3.パニック~身近な死に直面した恐怖から、極度のパニックに陥る。
4.怒りと不当感~不当な苦しみを負わされたという感情から、強い怒りを覚える
5.怒りとルサンチマン(恨み)~周囲の人々や故人に対して、敵意という形でやり場のない感情をぶつける。
6.罪意識~悲嘆の行為を代表する反応で、過去の行いを悔やみ、自分を責める。
7.空想形成、幻想~空想の中で故人がまだ生きているかのように思い込み、実生活でもそのように振舞う。
8.孤独感と抑うつ~健全な悲嘆のプロセスの一部分であるが、早く乗り越えようとする努力と周囲の援助が大切。て直面しようとする。
9. 精神的混乱とアパシー(無関心)~日々の生活目標を見失った空虚さから、どうしていいか分からなくなる。
10. あきらめ一受容~自分のおかれた状況を「あきらか」に見つめ、現実に勇気をもっ 。
11. 新しい希望-ユーモアと笑いの再発見~ユーモアと笑いは健康的な生活に欠かせない要素であり、その復活は、悲嘆のプロセスをうまく乗り切りつつあるしるしでもある。
12. 立ち直りの段階一新しいアイデンティティの誕生~以前の自分に戻るのではなく、苦悩に満ちた悲嘆のプロセスを経て、より充実した人格者として生まれ変わる。
 
     




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