- 平均寿命は、各国で伸びを示しており、日本の平均寿命の伸びは世界各国のなかでもひときわ目立っている。ただし、コロナ禍の影響と思われるが、2021年は僅かだが減少している。

- 100歳以上人口も49年連続で増加している。1943年には全国で143人だったが、2023年では92,139人となっている。特筆すべきは女性が88.55%を占めている。
100歳以上高齢者数の推移
| 100歳以上高齢者数の推移(完全生命表による) |
| 年 |
1990 |
1985 |
2000 |
2010 |
2015 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
| 男 |
680 |
1,255 |
2,158
|
5,869 |
7,840 |
9,475 |
10,060 |
10,365 |
10,550 |
| 女 |
2,618 |
5,123 |
10,878
|
38,580 |
53,728 |
70,975 |
76,450 |
80,161 |
81,589 |
- 厚生労働省の「人口動態統計」によると1989年に死亡者数が、最も多かった年齢は男性で79歳、女性で81歳であった。2018年では 男性は85歳、女性は91歳になっている。100歳まで生存する確率を見ると、2040年においては男性の42%が90歳まで、女性の20%が100歳まで生存するとみられている。
- 健康寿命の伸びも表のように着実に伸びを示している。健康寿命は日常的・継続的な医療・介護に依存しないで生命維持し、自立した生活ができる生存期間と定義されている。
- 厚生労働省の「人口動態統計」によると1989年に死亡者数が、最も多かった年齢は男性で79歳、女性で81歳であった。2018年では 男性は85歳、女性は91歳になっている。100歳まで生存する確率を見ると、2040年には男性の42%が90歳まで、女性の20%が100歳まで生存するとみられている。
- 健康寿命のデータを見ると、2022年の男性の場合約8.5年近く不健康な時期を過ごしていることになる。
健康寿命はWHOが提唱した指標で、「平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」と言うことであるが留意しなければならないのは、日本の健康寿命の内容とはかなり違いがあると言うことである。日本の健康寿命は、国民生活基礎調査において、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に影響がありますか」という設問に対して「影響があると」と答えた人を健康で無いと判断している。国民生活基礎調査は、3年に1度の調査であり、サンプル数も多いとは言えずデータの信頼性に問題が無いか議論されている。
- 高齢になれば、耳が聞こえ難い、逆光だと人の顔がよく見えないなどいろいろな障害があって当たり前になる。このような軽い障害は日常生活に影響があると言えばあるし、日常生活には大した影響はないと感じている人もあろう。設問に対してどう答えたかが問題である。
- 高齢者の要介護者数は、2013年度末で65歳以上で569.1万人、65歳以上の人口は3,186万人なので、17.8%に当たる。82.2%の高齢者は少なくとも日常生活には問題なく暮らしていると言うことになる。
- 日本人の死因のトップ3は、がん、心疾患、脳欠陥疾患と言われている。この三大疾患にかからなかった高齢者は現在でも元気に暮らしているといわれているが、認知症の患者数が増加しているのも事実である。認知症は世界的に増加傾向にあり、国際アルツハイマー協会では、世界の認知症患者数は、2015年に約6,480万人が2050年には1億3,200万人に達すると予想している。
日本の認知症患者数は、現在約450万人とされているが、2025年には700万人を超すと厚生労働省は予測している。これは、単純に考えれば、5人に1人ということになるが、この数字に恐れることなく日常生活に気をつけることしかない。
- 人生が長くなると言うことは、認知症や要介護の期間が長くなる場合もあるということをしっかり認識する必要がある。
- 中高年の主な年齢の平均余命は次のとおりである。政府は、健康寿命の目標を2040年までに、男性75.14歳、女性77.79歳まで伸ばすとしている。
| 高齢者の平均余命(主な年齢別) |
| |
50歳 |
60歳 |
70歳 |
75歳 |
80歳 |
85歳 |
90歳 |
| 男 |
令和2年 |
33.04 |
24.12 |
16.09 |
12.54 |
9.34 |
6.59 |
4.49 |
| 令和3年 |
32.93 |
24.02 |
15.96 |
12.42 |
9.22 |
6.48 |
4.38 |
| 令和4年 |
32.51 |
23.59 |
15.56 |
12.04 |
8.89 |
6.20 |
4.14 |
| 令和5年 |
32.60 |
23.68 |
15.65 |
12.13 |
8.98 |
6.29 |
4.22 |
| 令和6年 |
32.57 |
23.63 |
15.60 |
12.08 |
8.96 |
6.31 |
4.27 |
| 女 |
令和2年 |
38.75 |
29.42 |
20.45 |
16.22 |
12.25 |
8.73 |
5.85 |
| 令和3年 |
38.61 |
29.28 |
20.31 |
16.08 |
12.12 |
8.60 |
5.74 |
| 令和4年 |
38.61 |
28.84 |
19.89 |
15.67 |
11.74 |
8.28 |
5.47 |
| 令和5年 |
38.61 |
28.91 |
19.96 |
15.74 |
11.81 |
8.33 |
5.53 |
| 令和6年 |
38.61 |
28.92 |
19.97 |
15.75 |
11.83 |
8.37 |
5.53 |
出典: 厚生労働省 簡易生命表

- 加齢により生物学的な変化が生じる基礎的老化を防止することは不可能であるが、緊張感、心理的なトラウマ、病気、傷害などのストレスから基礎的老化を促進する副次的老化は、遅らせる事が可能と言われている。
- 現実は厳しく、病気や死に対する不安、介護問題、子どもとの同居・別居などに関わる問題、配偶者の死別後の人生、生きがいの喪失などの問題が起きることも予想される。
- いかに超高齢期を生きるかは、個人の考えにより一律に定義すべきではないが、年齢にとらわれない生き方が大事であることは、だれにでも当てはまる。
「若さ」が絶対という社会構造から抜け出すことを考えるべきで、加齢による衰えは間違いない事実であり、いたずらに若さを追い求めることは止めて、むしろ老化を遅らせる努力はすることが必要だろう。
|